2024.08.30MAGAZINE

“咲女”たちが織り成すワンシチュエーションコメディシリーズ第三弾最速レポート!

咲女花劇『摘む夢、きららと舞い込んで、』ゲネプロレポート

前作『散る君、うららと舞い上がり、』から約半年…イルミナスが誇る脚本家・演出家23氏による大人気シリーズ待望の第三弾が遂に開幕!そのゲネプロレポートを最速でお届け!
まだ観ようかどうか迷っているそこのあなた、この記事を読んだら気づけばチケットをポチっていることだろう。それでは早速いってみよう!

①咲女花劇名物、ギミック満載の舞台セット

今作の舞台となるのはとある街の雑居ビル「KJビルディング」の4階にある占いの館「マーガレット」。館の主人は、花の声が聞こえるという陰キャ占い師「綺羅きらら(演:新井ひとみ)」だ。部屋の中にはソファやテーブルの他に、魔導書のような本や怪しげな燭台など、いかにもなアイテムが所狭しと並んでいる。
通常の舞台なら「よくできた舞台セットだなぁ」と関心するだけだが、それで終わらないのが23流。セットの中には開演前から既に、伏線となりうる仕掛けや、効果的な演出の助けとなるギミックが数多く仕掛けられている。早めに劇場に来てセットをじっくり観察すると、物語をより深く楽しめるだろう。後方の座席の方は小型の双眼鏡を持っていくのも良いかもしれない。

②笑いの着火剤、"前説"

ワクワクしながら客席に座っていると舞台上に登場したのは本シリーズの脚本・演出を担当する23氏。彼の舞台は彼自身による、前説からスタートするのだ。元々はコメディアンとして舞台に立っていた彼のトークスキルは流石の一言で、たった5分のうちに客席を温め、キャストがいつでも笑いを起こせる空間を整える。演出家だからこそ話せる稽古場や劇場での裏話は必聴だ。
「ゲネはウケない」というコメディ作品暗黙の常識さえ、彼の前では無意味な戯言と化す。しかも彼の前説はその日その場限り、ディレイ配信や円盤にも収録されない、劇場に来た方だけの特権だ。そんな咲女花劇"0人目のキャスト"のオンステージ、聴き逃すのは余りにも勿体無い。

③今作も曲者揃い!?新キャラクター&キャスト陣徹底解説!

 先述した本作の主人公綺羅きららを演じるのは、人気アイドルグループ"東京女子流"のメンバーとしても活躍中の新井ひとみ。8年ぶりの舞台出演となる彼女が演じるきららは前作の主人公「浦うらら(演:西村菜那子)」とは打って変わって人とのコミュニケーションが苦手ないわゆる"陰キャ"。占い師としては致命的な弱点を抱えた彼女は小豆が大好物なようだ。

そんなきららの下で弟子として働くのは、明るいがちょっぴりドジな見習い占い師「賛田ゆめ(演:石井陽菜)」。彼女は今年の6月、23氏が同じく脚本・演出を手がける『麗和落語 ~二〇二四 夏の陣~』にも出演している。落語という1対1のフォーマットで23氏の演出を受けた彼女は、氏の意図を的確に汲み取り、時に繊細に、時に大胆に笑いを巻き起こす。

そんな正反対な2人が営む占いの館を訪れた"怪しい人"「亜黒ろあ(北野瑠華)」。シリーズ屈指のざっくりとしたキャラクター紹介の裏には、物語を大きく動かす彼女の秘密が隠されている。革ジャンを纏ったクールなビジュアルだけでなく、彼女のお芝居にも大注目だ。

占いの館マーガレットが入るKJビルディングの管理人を勤めるのは「舞戸あり(演:佐藤遥)」。麦わら帽子にオーバーオール、竹箒を持った、どこからどう見ても"管理人"である。そして何よりメガネを掛けている。「メガネは掛ければ掛けるほど良い」というのは世の常だが、彼女は物語の"転"を担う重要なポジション。ビジュアルだけでなく、彼女の場を動かすパワフルなお芝居にも注目だ。

KJビルディング3階のテナント、スナック「うつろ」を営むのは、「美夜森めまい(演:梅原サエリ)」。スナックのママとして店を切り盛りする彼女はいつも酔っ払ってヘベレケだ。しかし、ただの酔っ払いなど登場するはずも無いのが23作品。二日酔いで潰れているだけに見えてもしっかり舞台上で存在感を見せるのは、演じる女優の技量の賜物と言える。

KJビルディングを訪れた"スーツの人"「一尺二寸かな(演:曽我部優芽)」。一尺二寸と書いて"かまつか"と読む。ちなみにそれを演じる彼女の苗字も"そかべ"ではなく"そがべ"である。彼女はこのビルのオーナーらしい。しかしどうにもオドオドしている。あとなんか訛っている。上京して日が浅いのかオーナーとしてはまだまだ半人前のようだ。ビルの外からやってきた"アウトサイダー"のひとりとして物語に新たな展開を巻き起こす。

カラフルなファッションに猫耳ヘッドフォン。THE・現代っ子な女の子「楯築きっこ(演:辻ニイナ)。辻自身も弱冠18才という正に"今どきの人"。上京してまだ一カ月余り、フレッシュな彼女が見せるフレッシュな笑いが、劇場を爽やかに吹き抜ける。ちなみに極度のゲラらしい。

④パワーアップして帰ってきた!?お馴染みのキャラの安定と変革

ふわら、うららに引き続いてのキャラクターたちも更にパワーアップして再登場!

ふわら以来久々の登場となったのは「尾根ねおん」改め、「岡野乃ねおん(演:本条万里子)」。あのねおんさんが母になって再登場。演じる本条は女王ステシリーズやカルコメなど、イルミナス常連の実力派だ。経験豊富な彼女が繰り出す"ドスの効いた笑い"に、ノックアウト間違いなし!

うららからは大人気のクセ強コンビ、「うさぎ(演:庄司芽生)」と「三鳥みどり(演:黒崎澪)」が帰ってきた!ふたりはあれから、コンビでなんでも屋をやっているようだ。表情も声もウルサイふたりが、今回も賑やかに、忍ぶことなく暗躍する。

そしてそして、やっぱりこの人は外せない、"普通の"「桐野りのこ(演:植野祐美)」さんだ。ひと癖もふた癖もある人々にまたしても強引に巻き込まれ、今回もりのこさんがつっこんで突っ込んでツッコミまくる!普通のりのこさんが繰り出す、普通じゃない鋭いツッコミが、あらゆるボケを笑いに変える。

⑤今作は"ターン制"ではなく"リアルタイム"バトル

ここからは筆者個人の見解だが、前作の散る君うららは、個性豊かなキャラクターたちによる"ターン制"バトルな作品だった。女優たちはそれぞれ各々のキャラクターが持つ設定と己の持ち味を活かして、物語のなかでガンガンシュートを決めていく。

しかし今回はそんな前作とは打って変わって、各キャラクターが舞台上に出たり捌けたりを繰り返し、台詞がシームレスに飛び交う"リアルタイム"バトルな印象を受けた。時にパス回しに徹し、時に強烈なシュートを決める様はさながら黄金期のFCバルセロナだ。

個性の塊のような彼女たちが一つにまとまった時の笑いの破壊力は計り知れない。

⑥最後のピースは…

コメディ作品を完成させる最後のピース。それは他でもない、観客の"笑い声"だ。どれだけ演出家がこだわろうと、どれだけ稽古を重ねようと、お客さまの前で披露するまで、それが正解だったかどうかは誰にも分からないのである。加えて、舞台は生モノ。同じ芝居は2度とは出て来ない。世界でこの場、この瞬間だけの彼女たちの勇姿を見届け、完成させる。そんな、摘む夢きらら"12人目のキャスト"は、アナタ自身だ。

 

 

Text アセビカンナ

 

 

 

 

 

 

 

咲女花劇「摘む夢、きららと舞い込んで、」

 

【公演名】
咲女花劇「摘む夢、きららと舞い込んで、」

【作・演出】
23

【日時】
2024年8月28日(水)~9月1日(日)

【会場】
六行会ホール
〒140-0001 東京都品川区北品川2丁目32-3

【Introduction】
ILLUMINUSがお送りする花とエンタメで人の心と心を紡いでいく咲女花劇シリーズの第3弾。

【Story】
【そんなに当たりません。占いの館「マーガレット」】
扉の張り紙は、いつも剥がれそうで
剥がれないまま揺れる。

今日は定休日なのに、誰も占いたくないのに
大好きなおはぎを思う存分食べたいのに
「誰か!ちょっとぉ〜!!」
なのにわっさわっさと人が集まってくる…

喫茶店の人、裏社会の人、スナックのママや
ただ占って欲しかっただけの人…
大したことない事件が起こって
さらにやばい事件と繋がって…

ド暗い占い師【きらら】と
明るさだけが取り柄の弟子【ゆめ】が
やっかいな相談に巻き込まれ
絡まってもみくちゃにされ
そこに咲き乱れるお悩みとお花たちの
ドタバタワンシチュエーションコメディー!
「未来なんか、見えてたまるか!!」

【キャスト】
新井ひとみ(東京女子流)
石井陽菜

北野瑠華
佐藤遥
庄司芽生(東京女子流)
梅原サエリ
本条万里子
黒崎澪
曽我部優芽
辻ニイナ

植野祐美

【上演スケジュール】
8月28日(水) 19:00
8月29日(木) 19:00
8月30日(金) 14:00/19:00
8月31日(土) 13:00/18:00
9月1日(日) 12:30/16:30

 

<販売方法>
LivePocketにて販売。

https://t.livepocket.jp/t/uhe-u

※先着販売・席選択可となります。
※プレイガイド【LivePocket】のアカウントが必要となります(登録無料)。

【公式サイト等】
公式HP:shoujo-kageki3-kirara.com
公式X(旧Twitter):https://x.com/Sakukoe_Fuwara?s=20
@Sakukoe_Fuwara
#咲女花劇 #摘む夢きらら

 

【企画・製作】
ILLUMINUS