12月26日(木)、27日(金)にOPENBASE SHIBUYAにて開催された −『女王ステ』『王ステ』衣装展2024 −。
会場では、聴覚のみでMRを体験できるMixed Reality プラットフォーム「Auris(オーリス)」を活用した体験コーナーを中心に、約50着の過去衣装や厳選されたステージ写真などの展示が行われ、ILLUMINUSの代名詞的作品として育ってきた『女王ステ』シリーズと『王ステ』シリーズにおける集大成ともいえる空間が創出された。
今回は、好評のなか幕を閉じた本イベントの概要を写真とともにレポートする。
1階は予約不要で誰でも入れる無料エリアとして、衣装展・グッズコーナー・舞台写真展示コーナーを設置。
当シリーズの華やかな衣装たちを間近で見られるのはもちろんのことながら、照明プラン台本など普段見ることができない資料もパネルを使用して大きく展示され、当シリーズファンにはたまらない貴重なエリアとなっていた。
また資料の傍らには、この衣装展を実施するにあたって大きな支えとなった「衣装サポーター」たちの名前も掲示。ファンとともにシリーズを創りあげてきたILLUIMINUSらしい企画の一端があらわれている。
グッズコーナーでは、シリーズ過去作品のBlu-rayやパンフレットを販売。舞台写真などの展示を見て回った後だと、現地で観ることが叶わなかった作品やまだ持っていなかったグッズたちに、ついつい手を伸ばしてしまったことだろう…。
階段を下りた先の地下1階は、今回のメインともいえる、Aurisを活用した「回遊する体験型衣装展」を展開。
音声ガイドは「旅の合間に」「黄昏る休日」「事情聴取はほどほどに」の3コースから選べ、シリーズに出てくるキャラクター2人ずつがタイトル通りのシチュエーションで衣装展を案内してくれる。
1コースあたり15~20分程度だが、作品の世界観をまとったキャラクターたちの会話と、たまにこちらへ投げかけられる問いかけへの応答によって、本当にキャラクターたちがこの場に降り立ち一緒に衣装を見て回っているかのような体験となっていた。
今回この衣装展のために制作された限定音声は、シリーズの番外編のようにも感じられ、作品ファンにとっては何度でも聞き直したくなるようなものであろう。
ほかにも、小道具などにより世界観を再現したフォトブースの設置や、これまでの作品をダイジェストで投影する映像コーナーなどもあり、観劇とはまったく異なりながらも作品の空気感・世界観を十分に満喫できる試みとなっていた。
今回は2日間という短い期間だったため、惜しくも訪れられなかった『女王ステ』『王ステ』ファンもいたに違いない。衣装展第2回の実施と、今後の『女王ステ』『王ステ』にも期待が広がるばかりだ。
取材・文:今田夏見