24.3.7脚本家·春日康徳が語る『イリス』衣装秘話

思いだす

脚本家·春日康徳が語る『イリス·ノワール』企画の出発点
オリジナルのダークファンタジーという挑戦!

できることなら、自分の人格や趣味趣向は否定されたくないものです。しかしながら、こと商業作家という職業はなかなかにそういうわけにもいきません。

 

「お前が書くものは陰気で商売にならない」

 

「どこが商売にならないのか」ではなく、「陰気」という人格否定。作家としてデビューしてから、いろんな大人たちに、同じことを言われてきました……。

 

当時は業界で生き残ることに必死でした。傷ついている暇もなく、僕はがむしゃらに作品を書き続けました。そしていつしか、食っていくために自分の好きなものをあきらめるようになりました。

 

けれどそれは決してネガティブな感情ではなく、お預かりした原作の魅力を脚本として書き起こす―― 一種の謎解きゲームのような面白さを見出すようになっていったのです。

 

そんな僕の作家人生に転機が訪れたのは2018年ごろのこと。
ILLUMINUSの演出家・脚本家の吉田武寛さん、プロデューサーの小宮山薫さんとの出会いがきっかけでした。

Infini-T Force

風が強く吹いている

タツノコプロさんのCGアニメを原作とした、Acrobat Stage「Infini-T Force」。三浦しをん先生の原作を舞台化した『風が強く吹いている』。このふたつのすばらしい作品に脚本として関わる機会を得たのです。

 

ILLUMINUSさんとは、コロナ渦にあったときも「エンタメは必ず復活する!」と信じて、様々な企画をご一緒してきました。

 

そして、2022年12月。吉田さん、小宮山さんから、「原作付ではない、春日さんの好きな世界観で」というオーダーをいただいたのが、『イリス・ノワール』の企画の始まりでした。

 

オリジナル企画をご一緒できるなんて、なんと光栄なことでしょう! オリジナルということは、言ってしまえば……?

 

「売れるかどうかわからない」作品に投資をするということです!

 

これは、一種の挑戦でした。

 

「お前が書くものは陰気で商売にならない」

 

そう言った大人たちを見返すチャンスがついに訪れたのです。僕は作家人生15年で蓄積した技術と能力をフル解放して書きました!
フランス頽廃文学、クトゥルフ神話、ティム・バートン、ゴシック、黒魔術。

 

好きな人には絶対ぶっ刺さる! 自分よりも魔術に造形が深い教え子・瀬良藤吾に協力してもらい、こだわり抜いて稿を重ねながら、この世界観に興味のない人にも面白さが伝わるよう熱量を込め書き上げました。

 

そんなぼくの脚本家としての趣味趣向が反映されたシリーズ第一弾『イリス・ノワール -焔罪のミサ-』の公演はこちらから購入可能です。ぜひご覧ください。

 

 

そこには、夢を否定され続けた一人の作家が、信頼できるILLUMINUSのクリエーターと出会い築き上げた戦いの記録が記されています。

 

 

TEXT &PHOTGRAPH:春日康徳

 

 

 

シリーズ第一弾『イリス・ノワール -焔罪のミサ-』はILLUMINUS STOREにて販売中!

詳細・お申し込み募集は終了しました

この記事をシェアする