25.3.17偶然が導いたExpress誕生秘話

待ちのぞむ

Hidetake Takayamaと森江康太の出会いが生んだ、
音と映像が織りなす幻想的な旅、その舞台裏。

Reading Concert「Express」2025の原案となっているミュージックビデオ(MV)「Express feat. Silla (múm)」は、音楽と映像が融合し、まるで夢の中を旅するかのような幻想的な世界を生み出した作品だ。

 

HIDETAKE TAKAYAMAによる細やかで繊細なピアノサウンドと、アイスランドのエレクトロニカバンドmúmのSillaによる儚げなボーカルが重なり、聴く者を未知の旅へと迷い込ませる。

 

この楽曲のMVを手掛けたのは、CGクリエイターの森江康太。彼がHIDETAKE TAKAYAMAの音楽に出会ったのは、偶然にも同居していた姉が聴いていたことがきっかけだった。静かに流れるピアノの旋律に心を奪われた森江氏は、都内のライブへ足を運び、次第にHIDETAKE TAKAYAMAとの交流を深めていく。その出会いがやがて「Express feat. Silla (múm)」のMV制作へとつながる。

 

MVのテーマは「『銀河鉄道の夜』のその後」。

森江康太氏が描いたキャラクターのスケッチ
※HIDETAKE TAKAYAMA 「Express feat. Silla (múm) 」 Making Videoより引用

宮沢賢治の名作にインスパイアされたこの作品は、星々がきらめく夜空を駆け抜ける蒸気機関車を描き、楽曲の持つノスタルジックで幻想的な世界観を映像として表現している。全編CGアニメーションで作り込まれたこのMVは、音と映像の完璧な融合を成し遂げ、遠く銀河を駆け抜ける感覚へと迷い込ませる。このMVは音楽と映像が生み出す新たな表現の可能性を示した。偶然の出会いから生まれたこの奇跡のコラボレーションは、今なお多くの人々の心に響き続けている。

 

MV制作のエピソードもまた興味深い。

 

森江氏が最初に描き上げた絵コンテを見たとき、HIDETAKE TAKAYAMAは「高山さん、この曲『銀河鉄道の夜』みたいですね」と言われたという。その言葉に深く共感し、「まさに僕のイメージと近い」と感じたのだ。

HIDETAKE TAKAYAMAが“Express”に込めたイメージは「猛スピードで走り、車窓から景色が移り変わっていくような感覚」。加えて、「彗星」というタイトル候補もあり、「サビで彗星が泣きながら宇宙を巡っていくようなイメージ」もあったという。そんな中で、森江氏の「銀河鉄道の夜」的な解釈が重なり、MVのテーマが固まっていった。

 

ジョバンニとカムパネルラの心の交流を描く宮沢賢治の名作『銀河鉄道の夜』。「Express」は二人のその後の世界を描く。HIDETAKE TAKAYAMAと森江康太、二人の交流から生まれたこの作品は時が経っても今なお色褪せない傑作だ。

 

この「Express feat. Silla (múm)」の世界は、これまでにも朗読劇や音楽劇として上演されてきたが、2025年5月、実に7年ぶりに新たにReading Concertとして再構築される。朗読、音楽、ダンスが繋ぐ物語は、MVの幻想的な旅をさらに深化させ、観る者の心に新たな銀河の物語を刻み込むことだろう。

 

おもてなす

 

出典:CINRA「HIDETAKE TAKAYAMA インタビュー – 音と映像が織りなす幻想的な世界」(2012年11月1日)
https://www.cinra.net/article/interview-2012-11-01-000001-php 

出典:コエテコ「森江康太 インタビュー – 映像クリエイターのこだわり」(2024年11月6日)
https://coeteco.jp/articles/11649 

 

Reading Concert「Express」2025公演概要

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー
Reading Concert「Express」2025

公演期間:2025年5月3日(土)
会 場:シアター1010

脚本・演出: 吉田武寛
原作:宮沢賢治『銀河鉄道の夜』
音楽:HIDETAKE TAKAYAMA
MV原作:HIDETAKE TAKAYAMA 「Express feat. Silla (múm) 」
Music Video(映像制作:TRANSISTOR STUDIO / 森江康太)
出演
●Cast
村瀬歩 小林裕介 榊原優希 富田麻帆 佐藤弘樹
●Musician
Piano HIDETAKE TAKAYAMA and more
● Dancer
後藤楓 ayum!

企画・製作: ILLUMINUS
ーーーーーーーーーーーーーーーー

 




HIDETAKE TAKAYAMA 「Express feat. Silla (múm) 」

HIDETAKE TAKAYAMA 「Express feat. Silla (múm) 」

Making Video

HIDETAKE TAKAYAMA

日本大学藝術学部映画学科卒業。

在学中よりピアニスト/キーボーディストとして数々の作品に参加し、卒業後は映画/CM音楽制作と平行して自身のソロ名義での制作をスタート。

2010年 1stアルバム「Right Time + Right Music」、2012年 2ndアルバム「Asterism」をリリースし、堤真一氏がナビゲーターを務めるBS JAPAN「Grace of Japan」、NHKジャーナル(ラジオ第一)等の音楽制作、近年では劇場映画「恋のしずく」(2018年公開)や多数の映像作品の音楽を担当するなど、CLASSICALからELECTRONICA、HIP HOP、JAZZ、SOUL、現代音楽まで様々なジャンルを取り入れたスタイルを確立。

現在はニューヨークに拠点を移し活動している。

森江康太

1985年生まれ。

2004年からCGクリエーターとして様々な作品に関わりながら頭角を現し、2016年に自身が代表を務めるMORIE Inc.を立ち上げる。

現在は映像監督、CGアニメーター、CGクリエーター、アーティストなど活動分野は多岐にわたる。

ヨルシカ『ノーチラス』『春泥棒』『左右盲』『晴る』MV、GRe4N BOYZ『星影のエール』MV、椎名林檎『私は猫の目』MV、NHK連続テレビ小説『ちむどんどん』『ひよっこ』タイトルバックなどの自身による監督作品を手掛ける傍ら、エド・シーラン『Celestial』MV、『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』、『映画ドラえもん のび太の新恐竜』、『映画ドラえもん のび太の地球交響楽』、『竜とそばかすの姫』、NHKスペシャル『恐竜VSほ乳類 1億5千万年の戦い』『生命大躍進』『恐竜超世界』、などの作品にCGクリエーターとしても参加する。


この記事をシェアする